



北海道産木材を活用した建材や製品を紹介する「HOKKAIDO WOODのある暮らし」。第3回目の記事は「株式会社河野銘木店」です。
※全9回の連載を予定しています。
株式会社河野銘木店は、札幌市豊平区に拠点を置く木の専門店です。1952年に創業した当初は、建築材を扱う材木屋として産声を上げ、歴史と共に美しく希少性の高い銘木を取り扱うようになっていきました。現在は様々な樹種を取り扱い、木材の製材・乾燥・加工や、オーダー家具の受注販売や、店舗施工なども行っています。
今回お話を伺ったのは、株式会社河野銘木店の取締役営業部長、宮島弘之さん。
「銘木といえば、樹齢や材面の美しさ、杢目や色合いなどの鑑賞価値が高いことが一般的な定義です。木が成長する際に枝が幹に包み込まれてできた跡である節(ふし)や木の割れなどがある木材は『店に出せない』と言われていました。
河野銘木店は、以前からある程度の北海道産木材の活用はあったものの、商品数としては少なかったんです。5代目の社長になってから『やっぱりちゃんと自分たちの地域の木材と向き合わないとだめだよね』という話になり、本格的に北海道産木材を取り扱うようになりました。
山に自生する木材は、まっすぐじゃなかったり、節やひび割れがあることが多いです。だけど、それは木の個性だと私は思っているんですよね。山に入ったときに、樹齢70年くらい生きていた丸太があったんです。業者の方から『形も悪いし売れないから、チップにするよ』と言われて。『何か銘木屋としてできないか?』と考え、木の生きた証である節や割れなどを活かせるようにしていきたいと思ったんです」
「河野銘木店では、気に入った材木をその場で購入することが可能です。3階建ての店舗では、1階に一枚板を置いています。もちろんここには、北海道産木材の一枚板も。シラカバ・クリ・カバ・ミズナラ…など、個性豊かな木たちが表情豊かに並んでいますよ。ここで気に入った材木があれば、製品への加工も可能です。『ミディアムオーダー』という、木の研磨・塗装をお客さまが作業するサービスも行っています。2階には、製作過程で出た小さな木材をDIYなどで活用してもらえるように販売。3階は、床柱を置いていますね」
▲1階にはびっしりと一枚板が並びます。北海道産木材や銘木と呼ばれる木も一緒に展示されています。
▲割れが入っている木材には、メタルを埋め込みオリジナルの一枚にする加工も可能です。
▲2階には小さめの材木がたくさん置いてあり、見ていると「これ何かに使えないかな?」とワクワクしています。
「私たちは、北海道木材の個性を楽しんでもらえたらと考えています。人間にも個性があるように木にも様々な形や大きさ、表情があります。今年、河野銘木店に20代がふたり入社したんですよね。私は今40代ですが、彼らとはアイディアを出し合えるフラットな関係でありたいと考えています。その中で、木に対する考え方も全員が一緒ではなく、それぞれが『木を楽しむ』ことができるような関係や環境であれば、北海道の木材にとっても良い未来を迎えることができるのではないでしょうか」
企業名:株式会社河野銘木店
住所:〒062-0905 札幌市豊平区豊平5条6丁目1番10号
電話番号:011-821-4343
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