


北海道産木材を活用した建材や製品を紹介する「HOKKAIDO WOODのある暮らし」。第5回目の記事は「㈱The St Monica(セントモニカ)」です。
※全9回の連載を予定しています。
札幌市にあるThe St Monica(セントモニカ)は、北海道各地の良質な素材を使い、赤ちゃんから使えるスキンケア商品の企画や販売をしている会社です。創業当初から発売されている「BABY&MOTHER」シリーズや白樺樹液100%の飲料「母なる樹から生まれた白樺樹液」は、北海道美深町仁宇布(にうぷ)で採取した白樺の樹液を使用しています。
今回お話を伺ったのは、The St Monica(セントモニカ)の代表取締役であり、薬剤師の資格も持つ七戸千絵さん。
「私が北海道産の白樺に出合ったのは、2006年にベビーマッサージ用のクリームを開発した時です。とある病院で私がベビーマッサージ教室を主催していたんですね。その時に使用していたクリームの製造会社の社長から『オリジナルのクリームを作ってみませんか?』と開発機会をいただいたんです。クリームに合う素材を調べていくうちに、白樺が『母なる木』と呼ばれていることを知りました。私の製品テーマは『母と子』を掲げたいと思っていたため、まさにピッタリだと感じたんです。
白樺が『母なる木』と呼ばれる要因は、荒野でも自生できる強さからきていると言われています。しかし私から見ると、白樺は建築材活用は難しく薪にもならない『使えない木』と言われている状況が、世の中の母親の姿が重なりました。子どものために影武者のように動き、自身のケアや存在価値を忘れてしまった母親。クリームに白樺の木の樹液を使うことで、母親の価値を取り戻す意味も込められたらと使用を決めました。
だけど、効果がないと意味がありません。薬剤師の知識も活かし、白樺の効能に関してエビデンスを取得。北海道大学農学部の寺沢名誉教授にご協力いただき、樹液に含まれる抗菌化作用やミネラル、アミノ酸などが豊富であることを証明し、白樺樹液の価値を高めていきました」

△ベビーマッサージクリームが原点となり、「BABY&MOTHER」シリーズが生まれました。
「『BABY&MOTHER 』シリーズと、飲料の『母なる樹から生まれた白樺樹液』は北海道美深町の白樺樹液を使用しています。特に『母なる樹から生まれた白樺樹液』に関しては、美深町の気候と自然だからこそ成り立つ商品です。春の1ヵ月間のみ樹液採取を行っていますが、この時期の美深はまだ雪が深く冷蔵庫と同じくらいの気温なんです。採取現場から製造工場まで低温度で運ぶことができるので『母なる樹から生まれた白樺樹液』の透明度は、維持することができています。また春の白樺樹液は栄養も豊富で味も良い。これも白樺がストレスなく育つのことできる美深町の仁宇布の自然だからできることなんです」

△他にも、弟子屈や阿寒湖産のアカエゾマツを使用した「アカエゾマツシリーズ」や、歌志内の白樺樹液とナナカマドを使用した石鹸と泡クリーム「ペンケウタシュナイシリーズ」など、The St Monica(セントモニカ)では北海道の素材を活かした商品が並びます。
「The St Monica(セントモニカ)の商品は、HOKKAIDO WOODの中でも珍しい木材の活用方法かもしれませんね。でも、私は木や海、山、動物、すべてのものに多様性のある使用方法があると考えています。そう考えると現在の用途に留まらない可能性が、木材にも十分にあるはずです。『釧路のアカエゾマツはこういう活用ができる』『旭川のアカエゾマツなら』と言った、その土地の木だからこそできる何かを見つけたいし、世の中もそのような考え方になっていくといいなと思います。木は喋れないので、人間という動物にどう寄り添ってくれるか。私は薬学の知識を使い、木の思いをくみ取り伝える『つなぎ手』のような存在でありたいですね」
企業名:㈱The St Monica(セントモニカ)
住所:〒001-0016 北海道札幌市北区北16条西3丁目2-18 エルムN16
電話番号:011-213-7572
URL:https://stmonica.info/
Facebook:https://www.facebook.com/stmonica2010/
Instagram:https://www.instagram.com/thestmonica/