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道産木材製品 HOKKAIDO WOODのある暮らし Season 2 |高橋工芸
インタビュー

北海道産木材を活用した建材や製品を紹介する「HOKKAIDO WOODのある暮らし Season 2」。第1回目の記事は「高橋工芸」です。
※「HOKKAIDO WOODのある暮らし Season 2」は、全8回の連載予定です。

有限会社高橋工芸は、北海道旭川市で1965年に創業。「挽物(ひきもの)」の工房として始まりました。挽物とは、木材をロクロや旋盤(せんばん)で回転させ、刃物を当て形を削り出すこと。挽物の高い技術を活かし、家具の脚などのパーツを作っていましたが、時代の変化とともにテーブルウェアの製作に移行していきました。現在は、北海道産木材を使用したデザイン性の高いコップやお皿などの製作を行っています。

今回は、有限会社高橋工芸の代表取締役、高橋秀寿さんにお話を伺います。

有限会社高橋工芸 代表取締役 高橋秀寿さん

家具からクラフトへ。父が出合った「エンジュの木」

「高橋工芸の先代である私の父が、クラフト作りを始めるときに目を付けたのが北海道産木材の『エンジュの木』でした。父は、エンジュが放つ独特の色合いと、美しい木目を大変気に入り、テーブルウエアの製作に活用するようになりました。

エンジュは、とても硬い材木で加工には不向きと言われていますが、父が培ってきた挽物の技術力によって加工することができました。出来上がった製品は、重みがあるずっしりとした佇まいで好評でしたね。ただ、ライフスタイルの変化でシンプルなデザインが好まれるようになっていき、加えてエンジュも手に入りにくい状況下に。エンジュは、広く群生しているわけでもなく、点在しているわけでもない不思議な生え方をする木材なんです。高橋工芸でも、全く入手できない時期があり、次の手を考えなければならなくなりました」

 

今でも根強いファンがいる「Enjuシリーズ」。エンジュの木が入手できた時のみ、公式サイトなどで販売告知があるそうです

 

作りたいものを表現してくれる北海道産木材

「父から私へと代替わりし、時代のニーズに合うテーブルウエアを製作しようと、デザインにこだわった製品の開発へ。私は、先にデザインを考え、それに合う木材を選ぶことでイメージした製品を作れると考えました。『シャープですっきりとした新しいスタイルの器を作りたい』と考えた時に、思いついたのは『白い木』。北海道産の木材『センの木』でした。

 

センの木を使用した「Kamiシリーズ」

センは、薄く削っても割れにくく粘りがあるため、私が作りたいと思っていたものを見事に形にしてくれました。こうして出来上がったのが、『Kamiグラス』です。厚みを約2ミリまで削り、光りにかざすと透けるような薄さが特徴のコップです。最初は全く見向きされませんでしたが、東京銀座の百貨店にロクロを持ち込み、実演をしたところ一気に人気がでました」

 

 

地元の木を預かり、人と山を繋ぐものづくり

「『Kami』シリーズのセンを始め、これまで家具や工芸品に使われてこなかった木材を高橋工芸のクラフトでは使用するようにしています。卵の殻のような丸みを帯びたフォルムが特徴の『Cara』シリーズでは、北海道産の『シナの木』を使用しています。シナは、ベニヤ板の材料として使われており、工芸品としてはあまり使われません。周りから『なぜそんな木を使うの』と驚かれました。

 

高橋工芸では、伐採した少量の木であれば製材から乾燥までを工房で行うことができます

 

でも誰も使用していない木材を製品化して世に出すことで、『この木材も使えるんだ』と認知されるようになっていくと思うんですよね。さまざまな木に価値が生まれ、適正な価格で取引されるようになれば、木を伐採する木こりを始めとした林業従事者にも利益が還元されるようになります。いろんな木に価値を見出し、林業会社や製材屋など全てがWin-Winに繋がっていくことで、北海道産木材の未来も明るいものになるのではないでしょうか。私自身もまだ加工したことがない『ヤナギの木』が気になっているので、これから挑戦してみたいですね」