


北海道産木材を活用した建材や製品を紹介する「HOKKAIDO WOODのある暮らし Season 2」。第2回目の記事は「ニセコ蒸溜所」です。
※「HOKKAIDO WOODのある暮らしSeason 2」は、全8回の連載予定です。
株式会社ニセコ蒸溜所は、ニセコ町の豊かな自然と良質な水に恵まれた環境で、2021年に誕生したウイスキーとクラフトジンの蒸溜所です。新潟県南魚沼市の銘酒「八海山」で知られる八海醸造株式会社がグループ会社として手がけており、森の中に静かに佇む落ち着いた空間で洋酒造りを行っています。
ニセコ蒸溜所の建物は、HOKKAIDO WOOD BUILDINGに2025年2月に登録。北海道産のカラマツが多く使用されており、単なる製造施設にとどまらず建築物としても高い評価を受けている場所です。
今回は、株式会社ニセコ蒸溜所の総支配人、林知己さんに蒸溜所の建築についてお話を伺います。
株式会社ニセコ蒸溜所の総支配人、林知己さん
「ニセコに蒸溜所を作ることになったのは、恵まれた水との出合いがあったからです。蒸溜時のアルコール度数を調整する上で、水質は極めて重要。建物を建てる前に敷地内で井戸を掘ったところ、硬度33の極軟水であり酒造りを邪魔しない非常に良質な水が出ました。これが、この地に蒸溜所を構えた最大の理由です。
蒸溜所の設計時、ニセコ町が推進している『環境に配慮した街づくり』に共感したことが、建築の契機となりました。実は、建築する場所にも『なるべく木を伐採したくない、土を動かしたくない』という強い思いがあったんです。現在の場所は、かつてレジャー用地として使用され、すでに平地となっていたので最適だったんですね。不要に木を切る必要もなく、土壌も大きく削らずに、自然と調和する形で建築を進めることができました」
「場所が決まり、『なるべく地元のものを使おう』という考えの基に、建築が進められました。蒸溜所の木材は、ニセコを始めとした、後志全域のカラマツを集成材として多く使用しています。オープンしてから、5年経ちますがカラマツの色合いが年々変わり、軒下のカラマツは雪によって薄い色に。施設内のカラマツの色は濃くなっているように感じます」
「ウィスキーの貯蔵に重要なミズナラの木は、世界的に見ても入手困難で、北海道産も全く手に入りません。そこで地元の林業会社や森林組合と連携し、50年、100年先を見据えてミズナラを植林し、増やしていく話し合いを進めているところです。
また、ニセコ蒸溜所には、多くの観光客が訪れますが、札幌などの高校生の総合学習や研修の一環で活用されることもあります。ウイスキーやジンを製造する上で欠かせない発酵のプロセスについて学ぶこともあれば、ニセコ地域の観光についての見学なども。その中で、北海道産木材の活用について学んでいく高校生もいるんですよ。木材の背景や現状を勉強した上で蒸溜所を訪れ、地元の木材が実際にどのように建築に活用されているかを直に学んでいる姿を見ると、環境に配慮した街づくりの概念が少しずつ伝わっているのかなと感じています」
企業名:株式会社ニセコ蒸溜所
住所:〒048-1511 北海道虻田郡ニセコ町ニセコ478−15
電話番号:0136-55-7477
URL:https://niseko-distillery.com/ja/
Instagram:https://www.instagram.com/nisekodistillery_2021/